「親鴨の“モーレツ教育”に学ぶ」

作家の近藤富枝さんの書斎

の窓の下を流れる川で、ひ

と組みの鴨が十四羽の子鴨

を産んだ。

いつも母親は、優しく微笑

みを浮かべているような表

情で子鴨たちを眺めている。

時々パンを投げ与えると、

父鴨も母鴨も自分たちは食べ

ず、子鴨たちが争って食べる

だけだった。

散歩をするときは、父鴨が

先頭で、子鴨たちを間に挟

み、しんがりを母鴨が守った。

そのうち、母鴨によるモーレ

ツな飛翔訓練が始まった。

一ケ月ほど経ったある朝、

窓から眺めていると、

次々と子鴨たちがやってき

たが、どうしたことか親

鴨たちはいない。

「なぜだろう」と考えて、

これは親鴨が子離れをした

のだとハッと気がついた。

「鴨が子をかわいがり、一家

仲良く暮らし、教育に身を入れ

ているところまでは、

『よくやるな』と微笑ましく

眺めていた。

しかし、その子離れの見事さ

に参った」と近藤さんは語っ

ている。

それにひきかえ、私たち人間

社会ではどうでしょうか?

いつまでも子離れできない

親が目につきます。その結果、

親離れできないマザコン息子

が増えています。

そんな社会は正常ではないし、

子どもにとっても実はかわい

そうなことです。